加藤誠にインタビュー
店長:誠さんはもともと窯元さんですよね。
誠:そうですね。私が5代目で100年以上続く窯元です。
店長:そうなんですか!!すごい。窯元であり作家活動をしているんですか?
誠:いえ、父は作家のようなことは出来なくて、一般の和食器を作っていたんです。
店長:そんな中、誠さんはどうして作家活動も目指されたんですか?
誠:もともとは会社勤めをしていて、その後家業をするようになったんですが、当時は陶磁器に関する知識も深くなかったですから勉強もしなけばいけませんでしたし、単なる一般食器をつくるだけでは物足りなさも感じていたので・・・。
店長:なるほど。製作の勉強はどこでやられていたんですか?
誠:最初僕は地元の「華陶会」という陶芸クラブに通いながら一から勉強していました。中には定年を迎えて趣味でやっておられる方も沢山いて、僕が25歳くらいだったので一番若かったですね。そこで8年間勉強しました。
店長:一般量産食器に物足りなさを感じたのはどんなところからですか?
誠:型で同じものを作っているだけでは、物足りない・・・もっとレベルの高いものが作りたいというか、もっと自分自身の価値を高めたいと思っていましたね。
店長:誠さんは作家さんのグループ、美濃焼伝統工芸品協同組合でも活動されてますよね。
誠:そうですね。毎年伝統産業会館(岐阜県土岐市)でお祭りを開催して作家作品の販売や若手の育成なんかもしていますね。でも、はじめから伝統産業組合に入っていたわけではなくて、窯元として新商品を発表していた場所に、その作品を見られた日展作家さんに面白いなと思ってもらえたことがキッカケで組合を紹介してもらいましたね。
店長:誠さんは「朝日現代クラフト展」にも入選されていますがどんな作品だったんですか。
誠:皿に彫刻を施して、フリット釉という釉薬の粉末を生地に直接つけて製作しましたね。フリットはガラスのような釉薬なんで焼くときに傾いていると釉薬が流れ出してしまうのでしっかりと平面をとって焼がないといけないんですよ。フリット釉はガラスのようで色に深みがありますからインパクトがあって綺麗なんです。
店長:そうですよね。フリット釉薬を使うと、海の深いところと浅いところの違いのような深い色合いがでますよね。
誠:でもこの2・3年はカイラギの作品を中心に製作しています。
店長:当店に掲載させていただいている作品にもカイラギのものがありますよね。カイラギというのは難しいんですか?
誠:カイラギというのは本来は偶然出来るものなんですが、自分の場合は表面を削った生地に、白化粧を施して、意図的にカイラギを作っています。生地の表面を荒く削ると、白化粧が濃く入り込むでカイラギになるんです。削ってないとツルッとした表面になるんですよ。
店長:え~・・・結構手間がかかるんですね。
誠:そうですね。土もわざと荒い土を使っているんですよ。
店長:原料から考えないと、この強い個性はうまれないんですね。
誠:それに自然に出来た本来のカイラギは、ひびの間に汚れが入りやすくて不衛生になってしまうこともありますが、自分は作品の表面に透明な釉薬を掛けていて汚れない加工もしつつ、カイラギの荒く力強い印象を残こそうと作品を制作しています。衛生的で使い易いカイラギ作品で安心してお客さんに楽しんでもらいたいですから・・・
取材を終えて:
加藤さんは伝統工芸士の資格ももっており、裏づけのあるしっかりとして技術を体得しています。また陶器の美しい姿と使う人の扱いやすさなど、均衡のとれた作品つくりを目指しています。技術と思いやりのこもった作品はきっとお客さんを幸せな気分にしてくれるに違いありません。
*カイラギとは右の写真にあるような表面にヒビが入っているような状態をさします。








